東日本大震災から15年を迎えるにあたって
東日本大震災の発生から15年を迎えます。震災により尊い命を失われた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様、そして令和6年能登半島地震をはじめとする近年の災害で被災された皆様にも、心よりお見舞い申し上げます。
2011年3月11日、未曾有の災害により東北地方は甚大な被害を受け、地域の医療体制も大きな試練に直面しました。震災後、当院では長期的視野に立った医療復興の実現を目指し、地域医療復興センターの設置などを通じて、沿岸地域を中心とした医療支援や人材育成を進めてまいりました。また、災害医療体制の強化や訓練の充実など、震災の経験と教訓を次の災害に生かすための取り組みを続けています。
震災から15年が経過した今もなお、被災地では復興に向けた歩みが続いています。東北大学病院は2025年に開設110周年を迎えました。110年にわたり地域医療を支えてきた歴史を礎に、被災地の大学病院として地域医療を守り、災害の経験から得られた知見を社会に還元していくことは、私たちに課せられた重要な使命であると考えています。
また、大学病院には、目の前の患者さんを救う医療のみならず、新しい医療を創り出す役割があります。東北大学は国際卓越研究大学に採択され、今後、さらなる研究力の向上が期待されています。当院においては、医療DXの推進や医療データの利活用を通じて、新しい医療の創出にも取り組んでいます。東北地方の医療機関が参加する医療情報ネットワークである「MMWIN(みやぎ医療福祉情報ネットワーク)」や、「東北メディカル?メガバンク機構」によるバイオバンクなどの研究基盤を活用し、研究と医療をつなぐ取り組みを進めることで、より多くの患者さんに貢献できる医療の実現を目指しています。これらは、東日本大震災の経験を踏まえ、地域全体で医療情報を共有し、災害時にも医療を途切れさせない体制を構築するという観点からも重要な取り組みです。平時の医療の質の向上だけでなく、災害時にも患者さんを支える強靭な医療基盤の構築につながるものと考えています。
この節目に、これまで多くのご支援を賜りました皆様に改めて深く感謝申し上げます。東北大学病院は「先進の医療を優しさとともに」という理念のもと、すべての患者さんに最良の医療を提供するとともに、医育機関として優れた医療人材を育成し、地域とともに歩みながら東北の医療のさらなる発展に貢献してまいります。
令和8年3月11日
東北大学病院 病院長
張替 秀郎

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